追証(おいしょう)とは一体なに?
FXトレードを行う上で、絶対に理解しておかなくてはならない用語、ルールが「追証」です。追証はリスク管理の最後の砦であり、レッドラインとも言える存在となります。
追証は正確には「追加証拠金」と呼び、「追証が発生した」「追証を解消する」といった使い方をします。追証はその名の通り、追加で証拠金をFX業者に入金しなければならなくなった状態を指します。つまり、あまり良くない状況ではないということですね。
後ほど詳しく解説しますが、発生した追証を放置しておくとポジションが強制的にカットされてしまうことになります。どれだけ含み損があっても、もう少しだけ耐えればトンネルを抜けそうであっても問答無用です。
それでは追証はどのような状況で発生するのか。そして解消するにはどうすればよいのかを解説していきましょう。
追証になるのはどういう時?
追証は自分の既に抱えているポジションの含み損が増加することによって発生します。FX業者ではそれぞれ、ポジションを維持するための証拠金維持率というものを決めています。この証拠金維持率を下回ってしまうと追証が発生するのです。
簡単に言えば、含み損分の金額を現状の口座残高から差し引いた場合、レバレッジがオーバーしてしまう状況です。
追証発生は、このままだと現金に対してリスクが過大ですからなんとかしてください、という警告メッセージだとも受け取れるのです。
証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、自分のポジションに対してどれだけの証拠金を差し入れているかの比率を意味します。
計算方法は「(証拠金-含み損額)÷ポジションサイズ」です。1ドル100円と仮定し、10万円の証拠金で1万ドルを持っているとします。このポジションを作成した時点では10万円÷100万円で0.1(10%)ですね。ところが米ドルが99円にまで下落してしまうと(10万円-1万円)÷100万円で0.09(9%)になってしまいます。
予め決められたラインをこの証拠金維持率が下回ってしまうことによって追証が発生します。ギリギリのポジションサイズを抱えているとちょっとした含み損ですぐに追証となってしまうというわけです。
追証となった場合にはどのように対処すれば良い?
追証の解消方法は簡単です。その方法は大きく分けて二つですね。
1つは追証が解消となるだけの追加資金を入金することです。証拠金維持率が回復し追証が回復されます。これが最もオーソドックスな方法です。
2つ目はポジションの全クローズです。ポジションが無くなるわけですから求められる証拠金もゼロ円です。ただ、この方法ではほとんどの場合「損失確定」となってしまいます。もししばらくすれば状況が好転するという見通しがある場合は選択しにくい方法と言えるでしょう。
例外として、ポジションの一部のみのカットで維持証拠金の回復を行える業者もあるようですが極めて稀です。原則として、追加入金するか、観念してポジションカットするかのどちらかを選ぶことになります。
海外ではロスカットが基本?
海外FXの場合、日本国内のFX業者と違って極めて大きなレバレッジをかけることができます。そのため、証拠金維持率は逼迫することが多いのですが、そもそも短時間取引を行うトレーダーが多いためほとんど問題となりません。一瞬のヒットアンドアウェイが前提となっているわけです。
ですから、海外FXでは基本的に追証発生によるカット=ただの損切、といった認識で大丈夫なのです。追証が発生したからといって丁寧に追加入金をしてポジションを維持しようとする人はあまりいないのですね。
ロスカットの水準が低い事も海外業者ならでは!
日本国内では原則としてレバレッジは25倍までです。そのため必然的にロスカットの水準も高くなってしまいます(潤沢な証拠金が必要)。
しかし、海外FXの場合レバレッジ50倍以上はザラです。そのため証拠金があまりなくても大きなポジションを持つことができますし、ロスカットの水準も低くなるのです。
おまけに海外FXの場合、ゼロロスカットルールを採用している業者が多く、これは想定外の大事件が発生して証拠金を完全にマイナスにしてしまうような状況となっても、そのマイナス分(負債分)はチャラにしてくれるのです。
このように柔軟かつ勝ちやすいルール設定となっているのが海外のFX業者の魅力ですね。