海外のFX業者に口座を開こうとした場合、二種類のアカウントタイプがあることに気づくはずです。
この二つはそれぞれECN口座とSTP口座を指します。この二つのどちらを選ぶかによって若干ながらトレード戦略や、トレードの仕方が変わってくるのです。
ECN口座とSTP口座はどちらが優れているということはありません、トレーダーによって自分とマッチする方を選ぶことは重要です。アカウントタイプの変更は後から行おうとすると手続きが面倒くさかったりしますからね。
今回は日本のFX業者にはない、二つのアカウントタイプについてその違いや特徴を簡単に解説していきます。そして、とりあえず初心者はどちらを選んだ方が間違いないのかまで勉強していきましょう。
アカウントタイプによって何が違うのか?
ECN口座の特徴
ECN口座の最も大きな特徴は「板情報を見ながらトレードできる」という点です。板情報というのは売り方(SELL側)と買い方(BUY側)それぞれの指値注文のレートと注文数をリアルタイムに表示した物です。株式や日経先物などの取引をした経験のある人なら馴染みがあるのではないでしょうか。
この板情報を見れば買い方と売り方どちらに勢いがあるのかや、どのあたりのレートで玉がしこりやすいのかもだんだん分かるようになってきます。
この板情報というのは市場(口座を解説したFX業者内の注文状況)を表示しているので、なるべく流動性が高く、口座開設数の多い業者の方が適正なレートで約定させやすいことになります。
ECN口座での取引はスプレッド(売りと買いのレート差)はかなり狭いのですが、1取引ごとに手数料が発生するという特徴があります。この点を考慮し、実際の取引コストはどのくらいなのかを計算しておくようにしましょう。
STP口座の特徴
STP口座はStraight Through Processingの略称で別名「スタンダード口座」とも呼ばれます。スタンダードという名前からしてとりあえずこの口座を選択するという人も多いようですね。
STP口座はトレーダーから出された注文をインターバンク市場へと流し、その時点で最も条件の良い相手先とマッチングし注文を成立させます。ECN取引のように板情報がないため情報の視認性には劣りますが、ECN注文同様FX業者が取引を飲むわけではないので業者と利益相反の関係になることはありません。つまり透明性が高くアンフェアな環境でのトレードを強いられることがないわけです。
STP口座口座の場合はスプレッドはECN口座よりも大きくなる傾向があります(業者差あり)。ただ手数料が発生しないため細かく何度も注文を出すことに躊躇する必要はありません。この点は嬉しいですよね。
STP口座はどちらかといえば小口のトレーダーに向いていると言えます。そういう意味でもスタンダード口座として初心者に選ばれるのも理解できますね。
初心者はまずどちらを選択すれば良い?
では初心者はどちらの口座タイプを選択するのが良いのでしょうか。まず、スキャルピングをしようと思っているトレーダーであればECN口座になります。スキャルピングとは超短期売買のことで値幅の小さな収益をいくつもいくつも積み重ねるタイプのトレーダーです。
スキャルピングを行うにはスプレッドが小さいことと、板情報が見れることが条件になります。となればやはりECN口座しかありませんね。これはトレーダーのレベルに関わらずマストな条件と言えます。
次にデイトレード、もしくは数日単位のスイングトレードをする場合はどうでしょうか。この場合は取引コストを抑えられる可能性の高いSTP口座の方が向いている場合が多くなります。STP口座の方が良いと断言できないのは、海外FX業者によって若干条件に差があるからですが、傾向としてあまりバタバタとしたトレードを行わないのであればECN口座の方を選択して間違いありません。
業者によって取引通貨ペアごとに条件が有利だったり不利だったりする事があります。自分がメインでトレードしたい通貨ペアをある程度決めた上で業者の取引条件を確認した方が良いでしょう。