4月2日~4日8日は米経済指標が大荒れ。ドル安に注意

4月2日~4日8日の経済指標

4月2日~4日8日の為替はこう動く可能性が高い!

米中貿易戦争勃発か?というニュースを背景に金融市場は混乱を来しています。株式市場も大きな下落に見舞われ、3月最終週には21000円を割り込む状況となっています。

米ドル円相場も105円を下回るタイミングもあり、105円台を中心に乱高下が続いています。先行き不透明な場面ではまず円が買われる状況となってしまいますが、今回もリスク資金が一旦は円に転換されている様子が伺えますね。

景気を冷やしてしまっては元も子もない、とは米中ともに共通した思いでしょうが、今後も関税の報復合戦がエスカレートするようであれば貿易戦争の終わりは見えなくなってしまいます。

経済指標の重要性は更に増すこととなります。アメリカだけでなく、直接中国元を取引していない人も、中国の経済指標にもしっかり目を通しておく必要があります。

4月2日~4日8日の注目経済指標


日本・日銀短観

  • 日時 : 4月2日(月)8:50
  • 前回 : 25
  • 予想 : 25

日銀短観には複数の項目がありますが、最も注意して見るべきは大企業製造業の先行きと、大企業非製造業の先行きです。これらが順調に伸びていれば日本経済は順調と言えますし、逆に下降トレンド入りする場合はかなり警戒感が強くなります。

また、全産業の設備投資にも注目が集まります。2017年から極端に強い設備投資の流れが続いていましたがこれが今後も継続しそうなのか、しっかり見極めなければいけません。

今回の日銀短観は直近の金融市場の混乱を織り込みきってはいないため、弱い結果となった場合はリスク回避の動きが少なからず発生すると考えられます。


アメリカ・ISM製造業景気指数

  • 日時 : 4月2日(月)23:00
  • 前回 : 60.8
  • 予想 : 60.0

前回発表された2月分は60を越え、改めて米国景気の強さが示された格好となりましたが、今回は中国との貿易摩擦問題がどの程度指数に現れてくるかが注目されます。まだ、今回のデータが収集された段階ではそれ程貿易問題はクローズアップされていませんでしたから、仮に60を大きく超える結果となっても安心はできませんね。

最近の動きで米ドルを長期的にロングしようと考える投資家の割合が若干減ってしまったという話しも聞こえてきます。今回のISM製造業景気指数は米ドルのポジションを一部はずすタイミングとして活用するのも良いでしょう。


豪・中銀政策金利

  • 日時 : 4月3日(火)13:30
  • 前回 : 1.50%
  • 予想 : 1.50%

オーストラリアの景気は比較的順調な伸びを示しており、日本貿易振興機構の調査においても、オーストラリアに進出している日系企業の7割以上が2017年に黒字となっています。当然これはオーストラリア国内企業にも同様の傾向が見られており、失業率の改善や賃金の上昇に結びつくと考えるのが自然でしょう。

オーストラリアは資源輸出国家でもあり、資源価格の上下によっても国内景気が左右されます。現状歴史的に見ても低い金利が維持されていますが、先読み的な判断で0.25%の引き上げが行われてもおかしくはありません。その場合サプライズとなり豪ドルは大きく買われることとなるでしょう。


ユーロ・雇用統計

  • 日時 : 4月4日(水)18:00
  • 前回 : 1.2%
  • 予想 : 1.4%

全体としてはやや好調と言える欧州の雇用環境です。今回も0.1%の良化が予想されています。先日、IMFのラガルド専務理事は欧州に対して米国は通貨戦争を仕掛けないだろうとの見方を発表しました。これが正しければ火種はあくまでも中国と米国の間だけのもので欧州景気には直接の影響は無いと考えられます。

リスク回避時にはゴタゴタに巻き込まれにくい通貨が選考されます。その候補としてユーロが相対的に高くなっていく可能性も頭の隅に置いておかなくてはなりませんね。

この時間は同時にユーロ圏の消費者物価指数の概算値速報も発表になります。こちらも景気状況やインフレ動向を知るためにとても有用な指数です。雇用統計と併せて投資判断に活用しましょう。


アメリカ・ISM非製造業景気指数

  • 日時 : 4月4日(水)23:00
  • 前回 : 59.5
  • 予想 : 59.0

製造業同様強く、60ポイントを十分伺える位置までジリジリと上昇しています

今回は予測値として59.0ジャストが見込まれていますがポジティブサプライズの期待も膨らんでいることでしょう。

直前に米ドルが安ければロングで打診買いしてみるのも良いですし、逆に106円勢いを伴って越えている場合は逆張りポジションを作ってみるのも妙味がありそうです。

4月4日はアメリカのADP雇用統計、製造業新規受注、耐久財受注、週間石油在庫統計など数多くの重要指標も発表となります。確認漏れには十分注意し集中力をキープして相場に挑む必要がありそうです。特にISM非製造業景気指数より先に発表されるADP雇用統計直後からの流れには注意を払いましょう。


インド・中銀政策金利

  • 日時 : 4月5日(木)18:00
  • 前回 : 6.00%
  • 予想 : –

インドは新興国の中でも特に発展が目覚ましく、経済的にも人口的にも将来は中国を追い越し世界最大の国家になると考えられています。

インドは中国とあまり仲がよくありませんし、逆に日本とは良好な関係にあります。日本経済としてはインドの台頭は歓迎すべき事と言えるでしょう。

インドのような新興国は先進国の経済環境に大きな影響を受けます。インド中銀が政策金利を引き上げることが出来れば、インド中銀が世界経済全体に対してポジティブな見通しを持っていると証拠と言えるでしょう。

インドルピーを直接トレードしていない場合も、インド中銀が金利引き上げに対して前向きな姿勢をとった場合は、為替相場全体に対してリスクオンな動きが活発化しそうだ、と判断すべきです。


南ア・SACCI景況感指数

  • 日時 : 4月5日(木)18:30
  • 前回 : 98.9
  • 予想 : –

インド同様、南アフリカも新興国として重要な地位を占めています。特に南アランドは個人投資家にも人気の高い通貨ですから、先行性の強い同指標はリアルタイムでのチェックに大きな意味がありますね。

南アフリカから発表される経済指標はあまり数が多くありません。そのためペアとなる相手国の経済指標に動向が左右されやすいと言えます。貴重な南ア発の指標ですからトレードやポジション調整に最大限活用しましょう。

発表のタイミングはインド中銀政策金利同様日本時間の午後6時半。4/4はこの後米国の新規失業保険申請数や貿易収支の発表が続きます。


アメリカ・貿易収支

  • 日時 : 4月5日(木)21:30
  • 前回 : -566億ドル
  • 予想 : -563億ドル

どれだけ赤字額が圧縮されるのかが毎回気になる貿易収支ですが、状況としては米国の内需が強い分、輸入額は年々増加しており既に500億ドルを大きく上回る状態となっています。

米ドルが弱い場面では注目度が高いといえる指標であり、今回、予想通りに560億ドル規模で済むのかどうかが関心事となっています。

要チェックなのは赤字の合計額よりも細目であり、対中赤字が今後どうなっていくのか気をつけなくてはなりません。現在の金融市場での最大のテーマは米中貿易戦争の行方ですから、正に今回のアメリカ・貿易収支はその爆心地とも言える指標なのです。


カナダ・雇用統計

  • 日時 : 4月6日(金)21:30
  • 前回 : 1.54万人
  • 予想 : 2.00万人

アメリカの雇用統計と同じタイミングで発表される重要指標です。アメリカの雇用統計と比較することによってロング・ショート戦略を効率よく実施することができます。また、カナダ雇用統計とアメリカ雇用統計が同じように良い(悪い)結果だった場合、アメリカ雇用統計のインパクトが大きいため米ドルに比べてカナダドルの反応、動き出しが鈍い場合が散見されます。そのような場合は米ドルの代わりにカナダドルを短期的に売買してみるのも良い戦術です。

米ドルと同じ方向に動く可能性が高いため、飛び乗り・飛び降りのタイミングも計りやすいでしょう。


アメリカ・雇用統計

  • 日時 : 4月6日(金)21:30
  • 前回 : 31.3万人
  • 予想 : 18.7万人

毎年3月は雇用者数が減少する時期となるため、今回は18.5万人の増加予想となっています。一見すると悪い数字に感じられますがそうではないので注意しましょう。

米国の失業率は現状4%台前半。ほぼほぼ完全雇用が達成できており景気は間違いなく良好と言えます。今後米中の貿易戦争がどのような展開を見せるのかによって、当然雇用統計の数字にも変化が現れるはずです。

景気が悪化する可能性があるのは決して喜ばしい事ではありませんが、ようやく為替も動意づいてきました。稼げる時にしっかり稼がなければいけません。そろそろ為替取引の本気モードに入るべき時期ではないでしょうか。

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